Google Marketing Live 2022 メモ

Google Marketing Live 2022 #GML2022
May, 24 2022 13:00 ,Bay View
May, 31 2022 13:00 ,APAC ※日本語字幕付き
 ※ライブ配信ではなくオンデマンド動画

 2019年にSan Franciscoで参加して以来、3年ほどオンデマンドの開催となり私はアメリカの地を踏んでいない。GMLはGoogle Analyticsを活用している自身にとって、重要な会議である。
 Googleがどのような思想、コンセプトでこのプラットフォームプロダクトを提供しているのか。世の中はどういう方向に進んでいるのかをキャッチアップするにはとても分かりやすい機会である。
 会議の内容は、Google広告の話が多く、Google Analyticsの話ほとんどないが、企業にとって最大限(今できる限り)ユーザーとコミュニケーション取れて、ユーザーのカスタマージャーニーを理解できるプラットフォームはGoogle Maketing Platformであると考えている。1つのプロダクト群で網羅性がないのはわかっているが、マーケティングのことを最も考えているコネクテッドデバイスの雄であるのは事実である。
※Keynoteで気になる前半の話を搔い摘んだ内容ですが悪しからず

1. Google Marketing Live Keynote

Googleがどのような未来を考え、皆さんと一緒に未来を作っていくか。3つのカテゴリに分けて説明します。

Keynoteの3つのカテゴリー

1.1 新たな可能性を改めて捉えなおす方法

Googleは皆さんから沢山の情報を得て、可能な限り役立つ情報を提供するよう努力する
検索ボックスに入力するキーワードだけではなく、友人との会話、日常生活における自分の周りの観察など、人々は様々方法で情報を入手する

①キーワード ②音声 ③画像

検索はキーワードや音声、カメラで撮った写真など。自然な方法で物事を探し答えを見つけられるようになってきている。

– Multisearch (英語版のみ)

 写真を撮りながら、同時に質問ができる。写真を撮ったものが自分の期待しているメーカーやモデルなのかを確認できる。さらに「チュートリアル」というキーワードを入力すれば自分でそれを取り付ける方法を調べることができる。

MultiSearch

– Rich visual content

月食というワードから銀河系に関連する、インスピレーションを産むコンテンツを様々な形(テキスト、画像、動画)で様々な切り口(科学的、創造的、教育、エンターテインメントなど)でユーザーに提供する。これは企業に新たなアイデアを発見する手助けになっている。より視覚に訴えた体験を提供するためにはリッチな広告も増えていくでしょう。これは今まで以上に便利なインスプレーションにあふれた魅力的な広告。

Rich visual content

– More visual ads

没入感のある視覚的に訴える広告が自然検索結果内に表示される。写真や商品説明などが適宜関連性が高ければ表示される

More visual ads

– The potential of video

米国ではケーブルテレビの解約が加速し、過去2年間で34%もYoutubeの視聴時間が伸びている。またショート動画の人気が爆発的に高まっている。Youtubeのショート動画の視聴回数は1年前の4倍になっている。コネクテッドTV(インターネットにつながったTV)での動画視聴も増えている。

– Ads on Youtubes Shorts

Youtubeのショート動画が昨年対比で4倍増えている。ショート動画上にもadsが利用できる

Ads on Youtubes Shorts

– Video on Discover

Discover Feedへ動画や動画広告も開始します。ユーザーがアイデアやインスプレーションを産む場所です

– Video ads on Discover

アイデアやインスプレーションを求めて、お気に入りのコンテンツをスクロールするユーザーとより自然で視覚的に訴えるインタラクティブな方法でつながることが出来ます

– Google audiences for connected TV

コネクテッドTVを視聴しているユーザーへリーチ(認知)する方法の改革が必要。コネクテッドTV広告枠用にGoogleオーディンスを導入します

Google audiences for connected TV

– 動画広告はConnectedTV、YouTube Shorts、Discoverへ

動画広告はConnectedTV、YouTube Shorts、Discover

1.2 今の広告効果を高める方法

– Automation drives results

  • Performance Max(キャンペーンの効率化&最大化)

  • More transparency into automation(透明性)

Performance Max CampaignにA/Bテストの機能を提供し、どれくらい(Value)、どのよう(Insights)に改善されたか(どの指標、どのセグメントに効果があったか)検証できるようにした

Performance Max Campaign

Insights & Explanations: Understand how automation is working.

Optimization Score: Enabled Performance Max to reach its full potential

1.3 将来に向けた適応力を高めていく方法

これからはよりユーザーのプライバシーを重視した広告効果測定の方法へとシフトしてい行く必要がある。これまで使って来たツールの一部は機能しなくなります。2023年には世界人口の65%がGDPRと同様の指針に基づいた最新のプライバシーポリシーが提供されます。(※2020年にはわずか10%に過ぎなかった)
リフトテストの導入がGoogle Ads、ディスプレイ&ビデオ360で可能になります。コンバージョンリストテストでは、地域毎のリフトを測定することが出来るようになります。

1,4 まとめ

プライバシーへの配慮はますます重要になっている

人々のコンテンツとのかかわり方は変化してきている

マーケティングはより多くのチャネルに拡大し測定は次第に困難になっている

2. Google Analytics4で洞察をROIに変える

Resource links
– Find out how you can prepare for the future of Google Analytics
– Check the new Analytic 360
– Learn how to make the switch to Google Analytics 4
– Take a look at the latest Google Analytics 4 case study from McDonald’s Hong Kong

3. 最後に

大枠この2,3年、大きな変化はないが、
動画とコネクテッドTV、透明性(MLの効果を検証できる)辺りがTOPICSになっていそうです。
検索は、写真や声、動画と複合的に利用され、単一的な結果を提供するだけではなく、ユーザーが求める体験を意識した方法だ。

GA4に関係あるFirebaseSDKのリリースノート(2022/05版)

1. はじめに - 2022/05版 

前回、2022/02までのリリースノートのまとめでしたので、ここ3か月間(2022/02-2022/05)でリリースされたAnalyticsに関係する内容を確認してみます。
参照:Firebase > サポート > リリースノート

2. Firebase AppleSDKリリースノート

version-9.0.0  May, 3, 2022

  • 【CHANGED】サポート対象iOSのバージョンを9.0から10.0に上げました

  • 【CHANGED】非推奨eコマース定数を削除しました。具体的にはこちら

version-8.14.0  Mar, 22, 2022

  • 【FEATURE】Google Merchant Centerの結果測定がGA4のレポートに統合され、eコマースレポートが改善されました。

  • 【FEATURE】データ収集のカスタマイズ(収集を一時的に無効にできます)のサポートが追加されました。

3. Firebase Android SDKリリースノート

version-21.0.0  May, 6, 2022

  • 【REMOVE】非推奨eコマース定数を削除しました。具体的にはこちら

version-20.1.2  Mar, 24, 2022

  • 【FEATURE】データ収集のカスタマイズ(収集を一時的に無効にできます)のサポートが追加されました。

  • 【FEATURE】Google Merchant Centerの結果測定がGA4のレポートに統合され、eコマースレポートが改善されました。

version-20.1.1  Mar, 17, 2022

  • 【FEATURE】データ収集のカスタマイズ(収集を一時的に無効にできます)のサポートが追加されました。

  • 【FEATURE】Google Merchant Centerの結果測定がGA4のレポートに統合され、eコマースレポートが改善されました。

4. オンデバイスコンバージョン測定について

 今回の目玉である、AppleSDKの on-device conversion measurement について深ぼってみたいと思います。

4-1. メリット

Google広告(Google Ads)のヘルプエリアにありますが、メリットとしてユーザーの個人情報は保護されながら、「コンバージョンの可観測性の向上」による、iOSアプリキャンペーン(AC)のコンバージョンモデリングとレポートの正確性が上がるとあります。

4-2. 要件

GA4の計測時に利用されるFirebaseSDKからのみ利用できます。コンバージョン測定時に、以下の実装が必要になります。

– Firebase SDK (version 9.0.0 Release May,3,2020:つまり最新版)
– GA4とGoogleAdsの連携
– iOSアプリがiOS11以上で実行できる
– ユーザのEメールアドレスを収集する

オンデバイスコンバージョン測定について

4-3. つまり

【背景】
アプリによるトラッキングの透明性(ATT)

他社が所有するアプリやウェブサイト全体を「追跡(トラッキング)」するためには、ユーザーから明確な許可を取得する必要がでてきた


【短期的な影響】
– ユーザーがATTに同意していない場合、IDFAをアプリ計測できない
– IDFAの利用を継続するためには、ユーザーが広告主と媒体の両方のアプリ内で許可を取得する必要がある

【長期的な影響】
– コンバージョンと広告を紐づけることが出来なくなってくる
– ユーザーを理解するために必要な情報をGoogleのコンバージョンモデリングの活用

iOSのサービスと広告との紐づけは厳しくなってきている。GoogleはEメールアドレスを活用することでセキュアにユーザーを関連付けて、AC(アプリキャンペーン)の精度を上げていくという事であろう。

Tutorial: Measure iOS Ads conversions
これを見る限りコンバージョンイベントにEメールアドレスをGTMで渡せば良いだけではなさそうですね。

2022年2月に購入して今読んでいる本

1冊目:
超実践 Google流資料作成術 ワークショップ

購入理由:
相手に伝えるというのはグラフやイラストだけではなく表現方法とデータto
ストーリー全体だから。

2冊目:
[改訂4版]グロービスMBAマーケティング

購入理由:
手に取ってみると基本、定番でしたが、「マーケティングリサーチのプロセス」のところは良かったです。

3冊目:
広告ビジネスは、変われるか?

購入理由:
2021年にマスコミ4媒体広告費をインターネット広告費が超えた。コロナ前では、4媒体広告費の成長率が86%(減衰)に対して、インターネット広告費が105%と停滞している日本においても成長。広告作業というのが、どういう形で残っていくのかを把握するための情報

出典:dentsuの2021年 日本の広告費から引用

GA4のBigQueryにおいてevent_paramsのkey一覧を取得するクエリー

1. はじめに

GA4のBigQueryテーブルのスキーマは[GA4] BigQuery Export スキーマにまとまっている。自動取得、拡張イベントや、カスタムイベントにおいて、どういうカスタムパラメータが取得できているのかを確認する方法

2. 解決したい事

何故、こんな事が必要になったかというと、「We only show up to 10 rows」(10行しか見せん!)と表示がされるのと、私がnestする際に、Key名を知らないとValueを取ってこれないからです。。

レポート作成する場合にSDK(gtag.jsも)がどのような情報を取得しているか確認が必要でして、Key名を調べる必要がありました。

GA4のBigQueryのpage_viewイベントのカスタムパラメータについて

3. サンプルクエリー

SELECT 
  params.key,
FROM `********.analytis_*****.events_202204**` 
,UNNEST(event_params) as params
WHERE event_name in('page_view')
GROUP BY 1

4. 結果

  • event=page_viewの場合

key
——-
page_title
firebase_conversion
entrances
campaign
page_location
source
medium
term
ga_session_number
ga_session_id
page_referrer
session_engaged
engaged_session_event
ignore_referrer
engagement_time_msec
content

GA4とGoogle Optimizeの連携

早速試してみました。
Google Optimizeはユーザーをテスト毎に振り分け、クリエイティブのだしわけをしており、GA4はどのテストのどのバリエーションに出会い、コンバージョンしたのかどうかを集計している。この集計内容をGA4からGoogle Optimizeは読み込んでレポート表示に活用している。というのが基本連携となり、これはUA時代もGA4時代もかわりないでしょう。

1. はじめに

思ったよりも、突然、ベータ版が投入されたという感想です。
 上記の通りGoogle OptimizeとGA4の役割は明確で基本的には、データ連携をしているのみ。GA4で計測、集計している情報をGoogle Optimize側で新たに設定、計測せずに利用できる。そして、設定もGoogle OptimizeからGA4のプロパティを選択するだけで、既存のベーシックなテストが動くと思われます。
 Webサイトにある指標である、「直帰率」がGA4でなくなったため、Google Optimizeにデフォルトで選択できるテストの目標変数からなくなるでしょう。

直帰率の代わりに「Scroll」を副目標にセットしてみました

2. Goolge OptimizeとGA4のリンク設定

Google Optimizeの設定画面を一通り確認しようと、野良アカウントを作るところから行いましたが、Google Analyticsプロパティ連携の設定箇所で、GA4プロパティを選択できませんでした。Googleマーケティングプラットフォームを利用している場合、「組織」に含まれれるアカウント内で設定を行いましょう。※参照:組織外との連携

2-1. プロパティのリンク

Google Optimizeのアカウント構造は以下の通りです。
コンテナーという箱を作る際に、GA4のプロパティを選択します。今までGoogle Optimizeの設定を作る方法と全く変わりません。
 Google Analyticsのプロパティとのリンク設定画面では、1つのプロパティしか選択が出来ません。ここから解る事は1つのテストに対して2つのプロパティ(UAとGA4)にデータを送信する事ができない事です。GA4とUAがダブルタギングが出来ましたが、Google Optimizeのインプレッションは1つのプロパティを選ぶ必要があります。

Google Optimizeのアカウント構造

Google Optimizeのコンテナー作成後、Googleアナリティクスへのリンク設定を行う

GA4プロパティのリンク

2-2. 目標の設定

 GA4では直帰率、セッション時間という指標がレポートからなくなっているため、Google Optimizeのプレセット目標(ABテストの目標変数、目標指標)からも直帰率、セッション時間はなくなっております。唯一、GA4プロパティと連携したGoogle Optimizeにも残った指標は「ページビュー数」ですが、ベータ版ではページを指定することが出来ませんでした。※参考資料①
 GA4とGoogle Adsとの連携と同じで、GA4のコンバージョンマークされているイベントが目標選択画面にリストアップされます。※参考資料③(※このプロダクト間(GA4とGoogle AdsやGAとGoogle Optimizeのなど)で連携されるコンバージョンも権限毎、プロダクト毎に管理できるようになるといいですね)

 また、UAの時は、Google Optimizeの設定画面で目標指標を作成することができましたが、リストから選択することしかできなくなりました。※参考資料②
 目標指標=コンバージョンとなっており、もし目標指標の定義を追加したい場合はGA4の設定画面でコンバージョンを追加することが出来ます。(GA4の設定画面で追加、更新された内容がほぼリアルタイムにGoogle Optimizeへ反映されます)

参考資料①:(UA用)Optimize用のプレセット目標

参考資料②:(UA用)Optimizeの目標カスタマイズ画面

参考資料③:GA4のOptimize用のプレセット目標

3. UAからGA4へ切り替えると変わる事

 上記の通り、Google Optimizeから連携できるプロパティは1つなので、検証をしながらシフトをしていきましょう。あくまでも2022年2月時点でこの連携はベータ版となります。

3-1. インプレッション表示反映が遅い

 Google Optimizeのエクスペリメンス設定が画面上のプレビューで各パターンの表示確認を行い、実際にテストを実行開始すると、以前はテストパターン毎に今どれくらいのユーザーセッションが割り振られているかを確認できましたが、GA4ではその表示マーク自体がなくなっておりました。
自分がどのパターンに割り振られたかを、レポート画面上で直ぐには確認できなくなりました。
このインプレッション表示は、最大12時間かかるようです。
Google Optimizeのレポート画面(テスト結果画面)への反映もUAよりも時間がかかっているようです。GA4のレポート表示レイテンシの影響と思われます。

インプレッションのカウントは、実験開始後12時間以内に開始されます。

https://support.google.com/optimize/answer/11287798
参考資料①:(UA用)Optimize パターン毎のリアルタイムセッション数表示あり
参考資料②:(GA4用)Optimize パターン毎のリアルタイムセッション数表示なし

3-2. GA4のオーディンエスの活用

 特定の動作をしたユーザーだけにターゲットを絞ったテストや表示切り替えを行うためには、オーディエンスターゲティングの利用が考えられます。
 UAプロパティ連携版Google Optimizeでは、オーディエンスターゲティング機能は有償版のみで利用できる機能でしたが、GA4プロパティと連携したGoogle Optimizeでは標準版で利用することが出来ます。これが一番大きな利点となるでしょう。
 参考資料①では、オプティマイズ360必須というアラート表示を伴い、非アクティブになっていることが確認できます。
 参考資料②では、オプティマイズ360の記載はなく、アクティブになっており、GA4で作成したオーディエンスを選択することが出来ます。※参考資料③

参考資料①:(UA用)Optimize オーディエンスターゲティングの設定画面
参考資料②:(GA4用)Optimize オーディエンスターゲティングの設定画面
参考資料②:(GA4用)Optimize オーディエンスターゲティングの設定画面

GA4プロパティ連携版では、Google Ads(Google広告)のキャンペーンや広告グループというオーディエンスは利用できないようです。GA4とGoogle Adsを連携させると、Google Ads用のURLパラメータ(utmパラメータ)が自動で付与されるので、URLパラメータでターゲティングすることができるかもしれません。

3-3. UA版とGA4版の違い ※ベータ版

 UAプロパティ連携版では、Google Optimizeの機能差を、Google Optimizeの無償版と有償版で実現しておりましたが、GA4プロパティ連携版は、GA4の無償版と有償版でGoogle Optimizeの機能差があるようです。GA4で100個の同時テストを実現することはできるのでしょうか(GA4有償版×Google Optimize有償版という連携パターンの存在)
 UAからGA4に移行するとオーディンエスが利用でき、同時テスト数が5個から10個に増えます。GA4の有償版を利用するとGoogle Optimizeの制限が一部解除されて有償版Google Optimizeに近ずくようです。

https://support.google.com/optimize/answer/11505143: 無償版GA4と有償版GA4のOptimizeの違いhttps://support.google.com/optimize/answer/7084762: UAのOptimizeとOptimize360の違い※詳しくはGoogle Marketing Platformリセラー様へ確認です。

4. GA4にどのようなデータが送信されるか

GA4プロパティとGoogle Optimizeを結合し、実験を開始すると、新しいイベントがGA4に送信されます。発火タイミングは実験に出会った時(インプレッション)です。

event_name = experiment_impression
event_properties.experiment_id = xxxxxxxxxx
event_properties.variant_id = xxxxxxxxxx.1


event_properties.variant_idには、propertiesとして0,1,2のように数字が最後部についており、これがヴァリアントNo(ABテストのバリエーションパターン番号)
になりそうです。ここでデバッグが出来そうです。

Google ChromeのデベロッパーツールのNetwork確認

また、Google Optimizeのレポート画面にリアルタイム性はほぼなさそうですが、GA4のリアルタイムレポートのイベント数に、上記のexperiment_impressionを確認することが出来ます。
他にも、ターゲティングされたテストの場合は、以下のイベントも確認されているようです。GA4プロパティ版Google Optimizeでターゲティング設定をしてみましたが、まだ(2022/2/14時点)動いていないようです。→ターゲティングされておりませんでした。

event_name = optimize_personalization_impression
GA4のリアルタイムレポートのイベント/experiment_impression

GA4のエンゲージメント – イベントレポート/experiment_impression

GA4の探究レポートに存在する「テストデータのフィルター名」とは何のことを指しているのか。また「A/Bテストイベント」は既存のディメンジョンである「イベント名」に含まれないのか?など疑問があります。

GA4の探究レポートのディメンジョン「その他」

2つのパラメータ(variant_id、experiment_id)が予約パラメータとして定義されており、自動的にレポートに表示されるのか不明なので、カスタムディメンジョンに2つのevent_propertiesを追加しておきました。
これら、不明な点は後日確認してみます。

カスタムディメンジョンにvariant_idとexperiment_idを追加

5. さいごに

 私はGoogle Optimizeの利用経験が少ないため、基本的な確認しかできておりませんが、既にGA4とUAでダブルタギングをしており、Google Optimizeが設定済みでテストの稼働した実績があるページを持っている場合は、連携するプロパティの切り替えだけで直ぐにテストを行い、GA4プロパティにデータを送信し、Google Optimizeのレポート画面を確認することができます
 目標の設定箇所や、オーディエンスの選択画面の違いを直ぐに確認できると思います。
 Google Optimizeのページの内容をカスタマイズできるChrome 拡張機能 に初めて出会った時の感動は今でも忘れません。ABテストはシンプルですが、奥が深いので、Google Optimizeが実験(テスト)を身近なものにしてくれたことに大変感謝しています。そしてGA4とGoogle Optimizeの連携を歓迎します。

*Appendix

GA4/ABテストツールの選定

2023年9月30日をもって、Google Optimizeはサービス終了します。GA4と連携するABテストツールとして、候補に挙がるサービスをどのように選定していくかがとても重要

Google Optimizeのテスト期間とサンプル数について

ベイズ推定を用いて有意差検定を行うGoogle Optimize。少ないサンプル数でも優劣をつけるのが得意です。実験の有意差検定には、テスト期間とサンプル数がとても重要な要素です。

ABテスト設計ガイド

ABテストを行う際に事前に確認して言語化しておくべき内容を設計書としてまとめました。実験を成功に導くため見切り発車しないように設計書を事前に準備しましょう。

ランディングページのURLパラメータをリンク先に引き継ぐJavaScript

特定のサービスのリード獲得のためのラインディングページ。広告を出稿することもあります。その際に、Web2Appの遷移や、別ドメインに立てたランディングページの場合、広告のトラッキングコードがコンバージョンまで引き継げないケースがある。ランディングページの特定のURLパラメータを引き継ぐJavaScript

参考図書1: A/Bテストの教科書、カバ本です。お勧めです。

A/Bテスト実践ガイド

参考図書2: 効果検証入門〜正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎

効果検証入門

GA4 レポートにデータが表示されるまでにどれくらい時間がかかりますか?

 GA4のイベントサマリーレポートにおいて、レポート期間を1日前に指定しレポートを参照すると、(other)というイベントが多く確認できます。この事象はアプリ(Webサイトの計測ではなく)で起きることが多いです。
 UA(Universal Analytics)においても、悩まされてきた レポート上の(not set) や (other) について部分的な情報となりますがまとめていきたいと思います。今回は (other)について。

①Webサイトに限定するとイベントレポートでは発生していない
②アプリデータを含むすべてのプロパティでは前日のレポートに(other) が多く出てくる

1. GA4のレポートに(other)が表示される理由

仕様①:
 GA4 ではレポートの行数上限があり、そのレポート専用に設計された表毎に上限が5万行となっています。
また、データの比較(期間やオーディエンスなど)をしたり、セカンダリーディメンジョンを追加したような場合は、上限が200万行に切り替わることがあります。
 レポート表示するときに、この上限行を超えた場合、超過分のデータ行は(other)行にまとめられます。超過分の行が(other)にまとめられるため、ディメンジョン情報は表示されませんが、取得された全データの指標の合計は正しい値になります。

GA4 行数の上限

仕様②:
GA4 ではヒットデータを処理するまでに最大で 72 時間必要になる場合があり、 処理・集計が完了していないデータ行が (other) として表示される

セッションのカウント

前者の「仕様①」はUAでも同じ仕様がありました。
後者の「仕様②」はUAとGA4の違いになります。GA4ではデータ送信のレイテンシを考慮した集計タームになっており、1日毎にセッションを切って集計するUAとGA4では此処が異なります。

2. データ送信は1時間毎のバッチ処理になっている

 前項の後者の「仕様②」はアプリを含むマルチデバイスの集計プラットフォームであるGA4には、必要な仕様だと思います。アプリは、以下の2つのことに注意しないといけません。

1.アプリは、オフラインで操作が出来るケースがあり、リアルタイムにデータ送信できないケースが存在する

2.絶え間ないリアルタイムに送信されるデータ処理はデバイスの熱問題や深刻なバッテリーの消耗に影響を及ぼしことが考えられる

 細かいデータ送信処理については、触れませんが、どのような処理をしているかというと、アプリのGA4データはクライアントライブラリが1時間毎にローカルデータの有無を確認して、まとめてデータ送信(バッチ処理)されています。
 
※iOSデバイス(およびGoogle PlayサービスのないAndroidデバイス)では、この1時間タイマーはアプリ毎ですが、Google Playサービスを搭載したAndroidデバイスでは、この1時間毎のデータ送信タイマー処理をGA4を使用するすべてのアプリを対象にGoogle Playサービスが纏めて行っております。

 しかし、以下の特別な場合は、GA4は即座にデータ送信をします。

1.ユーザーがコンバージョンイベント(アプリ内購入など)をトリガーした場合に、クライアントからすべてのデータを送信します

2.iOSデバイスで、アプリがバックグラウンドに移行するたびにデータを送信します
※Androidアプリは、アプリ自身がアナリティクスデータを送信しているわけではなく、Google Play サービスがデータ送信を行っているので、アプリがバッググランドに移行しようが、気にせずデータ送信プロセスを管理出来ています。

3.また、デバッグモードになっている場合はデータ送信は即座に行われます

3. GA4のデータの更新頻度

 データの更新頻度とは、GA4がデバイスからのイベントの取集と処理に要する時間のことを指します。

データの更新間隔は以下のように定義されているようです。
※GA4は有料版のプロパティと標準版のプロパティでデータの更新間隔を、おおよそ以下の通りとしております。

レポート > Thresholds and limits > [GA4] データの更新頻度

 利用しているサービスレベルと見るレポートによって表示されるレポートの処理時間は変わってくるようです。多くの一般的なサイズ(すべてのプロパティサイズ)であれば、12時間位という事でしょうか。また、1分未満に処理されるリアルタイムレポートもUAとは変わってきています。

GA4のリアルタイムレポート:
以下の情報がカード形式で表示され、ユーザーがコンバージョン プロセスに入るルートや、プロセスに入った後の行動を把握できるようになっています。

・過去 30 分間のユーザー数(分単位)
・参照元、メディア、キャンペーンごとのユーザー数の内訳: ユーザーはどこから流入しているか
・オーディエンスごとのユーザー数または新規ユーザー数: ユーザーはどんな人たちなのか
・ページタイトルまたはスクリーン名ごとのユーザー数: どんなコンテンツを利用しているか
・イベント名ごとのイベント発生数: どんなイベントを発生させているか
・イベント名ごとのコンバージョン数: どんなコンバージョンを達成しているか

[GA4] リアルタイム レポート

※GA4の非標準のデータ処理を伴う機能
以下のGA4の機能は、一般的なデータ処理サービスレベルの対象外とのことです。

※GA4の非標準のデータ処理を伴う機能

正直複雑です。
当日の速報をレポートしてほしいといわれた際に、どのように対応すべきか検討がついていません。。

4.まとめ

GA4レポートに(other)というレコードが表示される、理由は大きく以下の2つになります。

 ・行数上限
 ・レポート表示のレイテンシ

 そして、2つ目のレポート表示のレイテンシ(遅延)には、以下の要素が関係してきます。

・クライアントアプリから分析データがGA4サーバーに送信されるまでにかかる時間

・サーバーでデータを受信して​​からGA4がデータをレポートに表示されるまでにかかる時間

The Firebase Blog > how long dose it take fo my firebase analytics data to show up?
GA4のレポート表示レイテンシについて

GA4から一部のレポートでは残っているがセッションという概念を排除したため、UAはアクティブなユーザ(セッションが維持されている)というリアルタイムレポートになっているが、GA4では、過去1分毎のユーザー数と30分間のユーザーの行動合計レポートがいくつか準備されている。GA4のリアルタイムレポートに慣れていないだけかもしれませんが、30分間の合計値ランキングのため、徐々にどのように何が増えていっているのか視覚的に情報を捉えることが出来ないため、なかなかリアルタイムレポートを活用できていません。

GA4のリアルタイムレポート

 もし、GA4のレポート表示のためにデータ処理にかかる数時間を待っていることが出来ない場合、BigQueryに蓄積されている、events_intradayテーブルを直接参照しに行く必要があるかもしれません。
Webサイトのデータは数10秒前のデータを確認することが出来ます。お気に入りのリアルタイムレポートや当日、前日用のレポートを独自に準備をしないといけないかもしれません。GA4のリアルタイムレポートに世の中が慣れるまでは。

GA4とBigQueryにデータは別々に溜まっている

events_intradayテーブルの参照クエリー例です
user_pseudo_id(もしくは取得しているのであればuser_idで)ユーザーを一意に特定して、直近のトラフィックを確認することができます。

SELECT 
    event_timestamp,
    CAST(FORMAT_TIMESTAMP('%Y-%m-%d %H:%M:%S', TIMESTAMP_MILLIS(CAST(event_timestamp/1000 AS INT64)), 'Asia/Tokyo') as DATETIME) AS jst,
    event_name,
    platform,
    (SELECT value.string_value FROM UNNEST(event_params) AS params WHERE params.key = 'page_location') AS string_value_page_location
FROM
    `******.analytics_*****.events_intraday_2022****` 
    WHERE user_pseudo_id='XXXXXXXXXXXX'
--    WHERE user_id='YYYYYYYYYYY'
ORDER BY event_timestamp DESC
LIMIT 10

event_server_timestamp_offsetは無視しています。Firebase BigQuery server offset timeを参照

GA4に関係あるFirebaseSDKのリリースノート

1. はじめに - 2022/02版 

Webサイトのみを計測している方にはあまり関係ございませんが、アプリの計測をGA4を行っている場合は、GA4の機能を新しい機能を利用するために、FirebaseSDKのアップデートが必要な場合がございます。またFirebaseSDKのリリースノートを定期観測していると、GA4の機能拡張状況がわかります。
参照:Firebase > サポート > リリースノート

2. Firebase AppleSDKリリースノート

version-8.12.0  09/Feb/22

  • 【FEATURE】トラフィックソースディメンジョンに新しくutm_id、utm_source_platform、utm_creative_format、utm_marketing_tacticが追加された。Google AdsやDisplay & Video 360用のutmパラメータの取り込みですね。レポート拡充が見込めます

  • 【FIXED】iOS 15以降でのアプリの予熱中にsession_startイベントがログに記録される問題の修正。session_startが多く発火されていたようです。どれくらいの割合で発生していたのでしょう

version-8.9.1  28/Oct/21

  • 【FEATURE】tvOS、macOS、Catalystのベータサポートが導入されています。おお!私はTVデバイスへサービスを提供しているのでこれは要確認

version-8.3.0  08/Jul/21

  • 【FEATURE】イベントの変更と作成に必要なサポートが追加された。
    これがGA4の設定画面からイベントを管理できる件ですね。GA4の管理画面には全員機能の表示がありますが、FirebaseSDKが対応されていないと設定内容が集計に反映されないので注意が必要です。ここでイベントの追加設定をするとクライアントからデータが追加で飛んでくるようになります。GTMでトリガーとタグを追加しているのと同じですね。

version-8.0.0  11/May/21

  • 【CHANGED】非推奨setScreenName(_:screenClass:)のAPIを削除しました。私がFirebaseSDKを導入した際は、このメソッドで名前を変えておりましたが、今は自動イベントscreen_viewを停めて、カスタムプロパティでscreen_classをカスタマイズしたカスタムイベントscreen_viewを発火するという方向に変わりました。

3. Firebase Android SDKリリースノート

version-19.0.2  04/Oct/21

version-18.0.0  27/Oct/20

  • 【FEATURE】同意モードのサポートが追加されました。
    GDPRを考慮した、ユーザーにプライバシー情報の取得を選択できるようにした際のタグの動作管理の仕方です

GA4の設計時に考えなくてはならないこと

1. GA4のインプリメンテーション

1-1. 自動イベントの計測

page_view/screen_viewをカスタマイズする必要がある場合は
自動イベントの計測を停めて、自動イベントと同じイベント名(page_view、screen_view)、イベントパラメータ名+予約されたパラメータ名もしくは似たパラメータ名でカスタマイズする。
※ページ(スクリーン)系の自動イベントを停止する手段はありますが、止めないでください。機械学習やGA4内レポートに影響が出てきます。
カスタム(例:パラメータを追加・発火タイミングを変えたい)する場合に使う手段です。

1-2. 強化された拡張測定計測

あまり、今まで重要視していないイベントであっても計測を開始する。同じ目的で別名Event、別パラメータ名を使って実装、計測していた場合は、拡張測定へ移行が出来るか確認。もしくは同じ名前(Event_nameやEvent_parameter_name)を利用して計測する

1-3. 推奨イベントの使用

自サイトがECサイトでなくても、ゲームサイトでなくても、GA4が推奨するEvent_nameやEvent_parameter_nameの活用していく。UAで独自のカスタムEvent Nameを多用していた場合、名前を変える、余計なものを計測しないなど検討。自サイトをあたかもECサイトだと思ってジャーニーを描き推奨イベントに焼き変える

提案:
– ページ内のアクションを追跡するための select_content イベント
– 特別オファーがクリックされた回数を追跡するためのselect_promotionイベント
– 特別オファーのインプレッション数を理解するためのview_promotionイベント
– キャプチャしたリードの数を追跡するためのgenerate_leadイベント
– 人々が特定の製品をいつ見るかを理解するためのview_itemイベント
– ショッピングカートに商品を追加しているユーザーを追跡するadd_to_cartイベント
– 成功したeコマーストランザクションのpurchaseイベント

1-4. カスタムイベント、パラメータの命名

例えば、自サイト内に製品を評価するボタンがあるとします。このボタンクリックイベントの名前は「product_rating」であったとします。改めて推奨イベントを参照すると、製品のアクションイベントには「view_item」「select_item」というイベント名が付いており、製品の場合「item」を利用する命名規則になっていることがわかります。ここから、「product_rating」というイベント名を「rate_item」に変えることを検討しましょう。イベント同様に推奨されているパラメータについて活用を積極的に行い、命名規則に従ってリネームすることを検討します。

1-5. 重要なイベントのコンバージョン化

例えば、
event_name=pageview
page_location=thanks.html
の場合、資料請求完了イベントに該当したとします。
カスタムディメンジョンの設定を行っておけば、ユーザー数やイベント数はGA4レポート画面で集計、確認できますが、「イベントの追加」もしくは「GTMにて新規にイベントの発火」を設定することで、上記の条件時にEvent_Name=generate_lead(推奨イベント)を新規に発火させます。このイベントには、value/currencyという推奨パラメータがあるために、valueに金銭的価値(スコア)を入れます。
やり方としては、リード(見込みリスト)1件から10,000円のサービス成約まで20%の確率であるという実績がある場合、value=2000.00、currency=JPYとセットしておく。このイベントをコンバージョンマークしておく。
ファンダメンタル集計(数量的な集計)ができる状態を作るのが目的ではなく「GA4に、このユーザーは2,000円の価値がある資料請求というアクションをした」という事を学習されるのが目的である。

1-6. 制限と目的

イベントやパラメータには制限があります。UAで計測をしていた推奨、自動イベント外のカスタムイベントの精査を行ったうえで、以下の制限内でイベントを実装する。https://support.google.com/analytics/answer/9267744

https://support.google.com/analytics/answer/9267744

例えば、今まで計測していた自サービス独自のファンダメンタルな集計は、
event_name=custome_event
event_reason={旧Event名}
parameter_1={旧Parameter Value}
のように集約することで、Event種類の上限を超えないように実装する

上記インプリメント手順の「目的」は、
ユーザー行動の(ファンダメンタルな)集計が出来る事ではなく、GA4の機械学習の精度を上げるためである。
GA4には、人間が自由に付けたカスタマイズされたイベント名やパラメータ名の解釈が難しく、今準備されている推奨された、「一般的なサイト(For all properties)、オンラインセールスサイト(For online sales)、ゲームサイト(For games)のサービス構成とユーザーカスタマージャーニーをイメージし、自サービスと照らし合わせ一番近い状態で推奨イベント、パラメータを利用してタグの実装します。こうすることで、現在用意されている、「予測」機能の精度の向上が見込まれます。今後、増えているこの機械学習
(Machine Learning)の機能を最大限に活用していくためにも、基本設計を行っておく必要があります。

2. Google Adsのインプリメンテーション

 サービス外で行うマーケティングプロモーションである、Google Adsの機械学習も精度を上げていく必要があります。
考え方は、Value-Based Biddingで複数マイクロコンバージョンの設定とtROASスコアの導入です。
 初期設定はGA4のインプリメンテーション(計測設計)と変わりはないのですが、サービスゴールに向けて、手前にあるマイクロコンバージョン(もしくは、ドライバーKPI※ユーザーを奥に動かすアクション)に定量的スコア(価値)を付与して、GA4からGoogle Adsに渡してあげます。
その手段として有効なのが、Audience Trigger Event となります。

Source: Google, Value-Based Bidding Transition Guide

Value Based Bidding

3. マルチデバイスカスタマージャーニー

 デバイスやプラットフォームが分析する上で垣根にならないように、user_idをGA4に適切にセットし、デバイスを跨って行動するユーザのマイクロコンバージョンを見逃さない。GA4とGoogle Adsでユーザーを識別できるデバイスは現状限られているが、ユーザーに対して適切なスコアを付けられユーザーの識別と推奨イベントの発火は統一管理し、同一プロパティ内でGA4に学習させることを目指します。

4. 最後に

何故、Google AnalyticsがこのタイミングでGA4を世の中に提供し始めたか、2019年のサンフランシスコで行われた、App+Web プロパティ(現GA4)の発表時にすべてを語っております。

https://www.youtube.com/watch?v=HBgiqgHWxRc

Googleは
– ユーザーは多くのオンラインに繋がったスマートデバイスに囲まれた生活に慣れ、検索をすることはなくならないが、素敵な偶発的な出会い(serendipity)を求めている
– 複数のデバイス、プラットフォームを縦横無尽に利用し、1つの決断に至るのにとても時間かけ、複数の接触を試みるようになったユーザーの行動をすべて追うことが出来なくなった
– ユーザーが広告を含む個人情報、プライバシー保護への関心がとても強くなった

このような世の中の変化に対して、
Googleは
 ラップトップで行う検索行動履歴だけではなく、スマートデバイス(スマートフォンを始め、Google HomeやGoogle Glassなど)を提供することでユーザーとのタッチポイントを増やし、足りない部分は、Machine Learning で補完をし、素敵な偶発的な出会い(serendipity)を提供する。
そこには、最大限のプライバシーへの対応を忘れない。というのが彼らが考えている世界である

私たちマーケターは以前から、すべてのユーザー行動を捉えることが出来なくなってきているのである。今、把握できる限られたユーザー行動の足跡から、少しでも機械学習の精度を上げる努力をすることがマーケティング活動の一番の近道だと思います。
また、提供する体験は、1+1の解は2というものではなく、朝起きたときに今日は素敵な1日だな!と思える体験を提供すること

GA4でiOS14.5以降のIDFAの取得状況の確認

1. 目的

GA4とGoogleAdsを連携する際に利用されるIDは広告識別子Advertising_id(AndroidではAD_IDと呼び、iOSではIDFAと呼ばれる)である。2021年3月にリリースされたiOS14.5(iPadOS14.5、tvOS14.5)によって、iOSの広告識別子(IDFA)がどれくらい取得できているのか確認をしておきましょう。サービスによって、ATT framewotrkの対応次第では許可されている割合は変わると思います。至高なAudienceをGA4で作ったとしてもGoogleAdsへ連携できるのは、IDFAを持っているリストだけになります。GA4で作成した対象のAudienceが10,000件あったとしても、IDFA取得率が30%であれば、3,000件しかリマーケティング対象にならないわけです。これがiOSにおけるリマーケティングの難しいところになります。

2. GA4はAdvertising_idを取得しているの?

GoogleAdsと連携されたGA4で作成したAudienceは、特に設定をせずにGoogleAds側で利用が出来ます。上記の通り、GoogleAdsとGA4のAudienceはAdvertising_idで紐づけるのですが、GA4上もしくはBigQueryでAdvertising_idが取得で来ていることを確認したことがありますでしょうか。※ここでは、GA4の探究レポートでAdvertising_idを確認できるかどうかは省略します。

2-1. BigQueryでAdvertising_idの確認

  • 自動取得イベントsession_startでiOSとAndroidのadvertising_idとスキーマキーを確認します

  • Advertising_idがない場合、iOSは”、Andoridはnullが入ります

  • user_idを取得していないケースを考慮してSDKが発行する(Webでいうcidのようなもの)、user_pseudo_idでユーザー数をカウントします。このユーザー数に対してAdvertising_idがどれくらい取得で来ているのかを確認します

CREATE TEMPORARY FUNCTION fromDate() AS (DATE('2021-11-01'));
CREATE TEMPORARY FUNCTION toDate()  AS (DATE('2021-11-01'));

WITH
ad_id as(
SELECT
    PARSE_DATE("%Y%m%d", event_date) AS datetime,
    platform,
    user_pseudo_id,
    device.advertising_id,
FROM `*******.analytics_123456789.events_*`
WHERE _TABLE_SUFFIX BETWEEN FORMAT_DATE('%Y%m%d', fromDate()) AND FORMAT_DATE('%Y%m%d', toDate())
AND event_name in('session_start')
AND platform in('IOS','ANDROID')
)

SELECT
    datetime,
    platform,
    SUM(is_limited) limited_ad_tracking_uu,
    COUNT(user_pseudo_id) all_uu,
    SUM(is_limited)/COUNT(user_pseudo_id)limited_ad_tracking_uu_rate
From
(SELECT
    datetime,
    platform,
    user_pseudo_id,
    MAX(if(advertising_id is null OR advertising_id='',1,0))is_limited
FROM ad_id 
GROUP BY 1,2,3)
GROUP BY 1,2
ORDER BY 
    datetime,
    platform

このクエリー結果の「limited_ad_tracking_uu_rate」が1(=100%)になることがあります。

– BigQueryでAdvertising_idを確認できない?
もしくはそもそもGA4でAdvertising_idを取得していない?
BigQueryにはAdvertising_idスキーマがあるのに確認ができないのだろうか?

と思ってしまうと思いますが、アプリを実装したエンジニアにAdvertising_idを取得しているか確認しましょう。そしてGA4の設定画面の管理者にBigQueryのリンク設定内容の確認をしましょう。

下記の「モバイルアプリ ストリーム用の広告識別子の追加」にチェックがされていないと実装上Advertising_idを取得していたとしても、BigQueryには表示されません。

また、アプリがAdvertising_idを取得で来ていることが確認できていれば、GA4の、このチェックがOFFになっていても、GoogleAdsとGA4でAudienceやコンバージョンの連携は出来ます。あくまでもBigQueryにExportするかどうかの設定となります。

GA4のBigQuery のリンク設定

2-2. BigQueryで広告識別子の取得許可フラグ(is_limited_ad_tracking)の確認

BigQueryのスキーマに「device.is_limited_ad_tracking:デバイスの広告トラッキング制限の設定」があります。これはユーザーがアプリ毎に、広告識別子を取得してよいか(利用してよいか)を選択できるため、その設定内容を取得できます。Advertising_idの取得状況と、この内容を両方見てみましょう。

  • 自動取得イベントsession_startでiOSとAndroidのdevice.is_limited_ad_trackingとスキーマキーの内容を確認します

  • device.is_limited_ad_trackingには’Yes’か’No’が入っています

  • Advertising_idの有無は今回チェックしていません

  • user_idを取得していないケースを考慮してSDKが発行する(Webでいうcidのようなもの)、user_pseudo_idでユーザー数をカウントする。 このユーザー数に対してdevice.is_limited_ad_tracking=’Yes’の割合を確認します

CREATE TEMPORARY FUNCTION fromDate() AS (DATE('2021-04-01'));
CREATE TEMPORARY FUNCTION toDate()  AS (DATE('2021-04-01'));

with
limited_ad_tracking as(
SELECT
    PARSE_DATE("%Y%m%d", event_date) AS datetime,
    platform,
    user_pseudo_id,
    device.is_limited_ad_tracking,
FROM `*******.analytics_123456789.events_*`
WHERE _TABLE_SUFFIX BETWEEN FORMAT_DATE('%Y%m%d', fromDate()) AND FORMAT_DATE('%Y%m%d', toDate())
AND event_name in('session_start')
AND platform in('IOS','ANDROID')
)


SELECT
    datetime,
    platform,
    SUM(is_limited) limited_ad_tracking_uu,
    COUNT(user_pseudo_id) all_uu,
    SUM(is_limited)/COUNT(user_pseudo_id)limited_ad_tracking_uu_rate
From
(SELECT
    datetime,
    platform,
    user_pseudo_id,
    MAX(if(is_limited_ad_tracking='Yes',1,0))is_limited
FROM limited_ad_tracking
GROUP BY 1,2,3)
GROUP BY 1,2

2-3. 広告識別子の取得状況や許可フラグ

①Advertising_idの取得許可率 - IOSのみ
※取得「許可」率です

Advertising_idの取得許可率 ※IOSのみ

②Advertising_idの取得状況 - IOSのみ

Advertising_idの取得状況 ※IOSのみ

①と②は値は少し異なります。①の方が少し高いでしょうか。

また、②はある時期からBigQueryに広告識別子を吐き出す設定を有効にしたため、11月前半以前は取得率が0になっています。※設定:「モバイルアプリ ストリーム用の広告識別子の追加」
この設定は、データガバナンス担当に確認をしながら進める事を推奨します。プライバシーポリシーとにらめっこをする必要があります。

ここからわかることは、
(比較となるAndoridの値をグラフに表示しておりませんが)iOSの広告識別子(IDFA)の取得状況あまり高くないため、GA4がGoogleAdsにAudienceを連携したとしても、Androidに比べてiOSではリマーケティング候補のサイズが少なくなってしまうという事です。

自サービスのOS利用率(iOSとAndorid)をファンダメンタル集計はできると思いますので、iPhone(iOS)の利用率イコールGoogleAdsのリーチ率になるわけではない事に注意が必要です。

3. Advertising_id取得率の改善

広告識別子のトラッキング許可をユーザーにリクエストする方法は、Appleのガイドラインに詳しく説明がございます。

App Tracking Transparency(ATT)frameworkの実装を行っていないアプリで、広告識別子は実質利用できない状況なので、こちらの実装、対応が必要になってきます。

AppleのApp Tracking Transparency(ATT)framework

4. 最後に

GA4でAudienceを作り30日以上経過し、ある程度、学習内容が落ち着てくると、GA4上のAudienceの「対象ユーザー数」とGoogleAds側のオーディエンスマネージャーの「サイズ」の数字が確認できます。GoogleAdsは類推セグメントも作成してくれますので、GA4のオーディンエス対象ユーザーだけを頼りにリマーケティングキャンペーンを実施するのではなく、GoogleAds側のオーディエンスマネージャーでサイズ感を確認して検証並びにキャンペーンの実施を行うことができます

 予測オーディエンスを使ったGoogleAdsキャンペーンの準備をしている際に、そもそもAdvertising_id(IDFA、Ad_id)は取得できているのか?とふと疑問に思った際の確認内容になります。GTMの設定やSDKのファンクションでAdvertising_idについて何かした記憶がない場合は確認をしてみてください。user_idのように特別な実装が必要ではございませんが、BigQueryで確認ができないと、あれ?と思ってしまった案件となります。
また、リマーケティングを行う際にどれくらいのサイズ感があるかを事前に把握し、検証する際に必要な期間や費用をしっかりデータアナリストが設計して進める必要があります。

2021年12月に購入して今読んでいる本

1冊目:
良い戦略、悪い戦略

良い戦略、悪い戦略 単行本

購入理由:
最近、戦略、戦略という言葉をよく聞くから。悪い戦略の例が知りたかった。

2冊目:
パワポdeデザイン PowerPointっぽさを脱却する新しいアイデア

パワポdeデザイン PowerPointっぽさを脱却する新しいアイデア

購入理由:
提案書書くのが下手糞だから。厭、内容が下手糞といわれそうだが、見た目くらいはわかりやすく

3冊目:
アフターデジタル2 UXと自由

アフターデジタル2 UXと自由

購入理由:
この業界にいて、わくわくしたいからかな。昔のWeb2.0の本を読んでいる感じ。アフターデジタルは読んでいたので2も読んでみたかった。

4冊目:
人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学

人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学

購入理由:
タイトル見て、そう思ったから。神様や聖人よりも、なんだかんだ言って悪魔が好きだから。特に欲望とか熱狂って恥ずかしてく表に出ずらいけれどこれが本能ですよね。

5冊目:
この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本

この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本

購入理由:
ぱらぱらとみて、情報を整理して伝える時に使えそうな、表、フローチャートがあったから。

値段感はこんな感じです。

今、E-learningやってますが、老眼ぬきにして正直、スマフォで資料とか本とか読めないです。だからといって、紙の本も読むの嫌いです。ラップトップでスライドを見ているのが一番楽ですね。